『ワイルド・スピード/スーパー・コンボ』を観る

久しぶりに映画館へ行っていきました。ネタバレありますのでご注意を。

 

いつの間にか料金値上がりしてる!まあご時世で仕方ないとはいえ、1900円は高いですよね。絶対に寝るものか、という気合のもとに行きましたが、寝るどころか妙に興奮してしまいました。

いやあ…いつになったらドミニク出てくるのかな、とか思ったわたしはアホでした。そうです、これはフルメンバーが出てこないんです。なので、このシリーズを観たことがないひとでも十分たのしめます。でも、一応前作をおさらいしておくといいかもしれません。いきなりのジェイソン・ステイサムに驚いてしまうかも。できればその前から観た方がより因果関係がはっきりするんですが…この作品を観てからでもいいかもしれません。

ルーク・ホブス(ドゥエイン・ジョンソン)とデッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)の二人が凸凹タッグを組むのですが、お互い肉体派でありながら、一方はガチムチ、もう一方はスマート、とでもいえばいいでしょうか。その対比も面白かったです。初めから見せ方がうまい。デッカードというかふたりともスキンヘッドでかっこいい。動き方も対照的で、ルークはとにかく肉弾列車みたいに攻めまくるけれど、デッカードは技で勝負なところがあって、今回はデッカードの妹ハッティ(ヴァネッサ・カービー)が登場するんですが、妹がまたかっこいい。M16にいる彼女がある組織にハメられて、彼女を助けることになるんですが、めちゃくちゃに強い。こんな強くてかっこいい女性そうそういないよな、という印象です。監督のデヴィッド・リーは『アトミック・ブロンド』の監督なので、それもなるほど納得という気がします。

また、この映画、二人がプロデューサーに入っていることもあり、見せ方をよくわかっているのかなという感じがします。ハリウッド的なご都合主義はもちろんありますが、それでも観ていて爽快なんです。敵のブリクストンにしても、気持ち悪いというよりはかっこいい感じで、気味悪さがないんです(実際死なないので少し気味が悪いといえば悪いですが)。見た目はふつうの人間で、エイリアンのように分解しないというのは大きいです、わたしにとって。やっぱり頭からぐしゃっと崩れるのは何というかグロテスクで。もちろんこの映画、Rがついていないから、というのもあるとは思いますが、何というか、あの二人が挑む相手はあくまで人間であってほしいというのもあります。

二人の過去編ともいえる今作、それぞれが家族のために戦うというストーリーもよかったです。要はわたしがこのシリーズが好きというのもありますが、割と家族愛を押していますよね。前作でも一見ドミニクが裏切っているかのように思えるのに、みんな結局彼を信じているところがあって、結局裏切っていなかったというとてもわかりやすい展開ではありますが、シンプルゆえに見せ方の難しさのようなものがあるように思えます。今回も下手にホブスの娘を人質にとったりしないところがよかったなあと…ハッティはウィルスを注入されていながら自ら戦うところもいい。守られる女性、のようなものを描かないのがこの作品のよさでもあるかも(ブライアンの妹は戦わない側でしたが)。

 

こういう映画は大スクリーンで観るのがたのしいなあと思いました(単純な感想)。

何かもっと言いたいことがあったような気がしますが、また次にします。

蛇足ですが、前の席に割と高齢のおじいちゃん二人組が観ていて、「えっ、こんな激しい映画大丈夫?」と勝手にハラハラしていたのですが、観終わった後、「よかったねえ」と言い合っていて、ほっとしました。そうか、この世代は西部劇やら『ダイ・ハード』やらで慣らされているのかも。案外ひとは死なないし、痛快である意味西部劇に近いものはあるのかもしれない。