『ブラックミラー』を観ています。

 
またもネットフリックスで観ています。
シーズン1を観終わりました。いやあ、すごいブラックですね。イギリスのブラックってえげつない。「国家」「1500万メリット」「人生の軌跡のすべて」それぞれ感想です。ネタバレあります。

netflixで『ブラックリスト』を観ています

最近夜一話と決めてネットフリックスかアマゾンプライムのドラマを観ているのですが、『メンタリスト』をようやく観終わり、『ブラックリスト』に手を出しました。いまシーズン2の途中です。途中までのネタバレあります。

『ヒトラーVSピカソ 奪われた名画のゆくえ』を観る

連休中ひとつ映画を観ました。

イタリアの ドキュメンタリー映画で、なぜ今ヒトラーなのかわかりませんが、とても興味深い内容でした。

ただ、とても込み入った内容なので、前知識が何もない状態だと内容が把握しにくいかも。わたしは一応美術の勉強をしているのと、多言語を勉強していたこともあり、字幕以外の情報が多々あったので何とかついていけましたが、途中混乱しそうになりました。というのも、字幕があまりよろしくない……。多言語で好きなように固有名詞を話すので致し方ないのですが、同じ名前も何度も出てきて、それがフランスと英米圏で呼び名が違ったり、実際違うひとだったりするので、何でここではローザンベールで(ローゼンベールと訳されていましたが)、こっちではローゼンバーグなんだろうとか、気になり始めると変なスパイラルに入りこんで内容が入ってこなくなる上、内容に関わることなので、わからないと困るという状態。仕方がないから原語を追い、字幕は確認のために見よう、と思って字幕を頼りにせずに見ると、字幕が日本語特有の動詞は後から、となるので、これはこれでつらい。要はすべての原語をある程度聞ける能力があれば解決するのですが、いずれは可能になるのかもしれないけれど映画の間は無理なので結局ジレンマをかかえながら観ることになるという……原語を無視してしまえば問題ないのかもしれませんが、あらゆる情報が横文字でも流れるのでなかなかにつらい。

それでも、大概は勉強していたことやら過去に流れたニュースの内容からは逸脱していないので、やはり予習して観るのがいいのかもしれません。わたしももう一度観ないと消化しきれない感じです。

ヒトラーは大芸術(古典芸術)以外を芸術とは認めていなかったので、多くの絵画は退廃芸術のレッテルを貼られていたのですが、わたし的に面白かったのがオットー・ディックスです。退廃芸術展にも出展されていたのに、ナチス幹部は絵画を持っていたのだとか。その矛盾が何なのかわかりませんが、興味深かったです。ルドルフ・べリングの作品が退廃芸術展と大ドイツ芸術展の両方に飾られていたとか、ブレがあったのも面白い(どうでもいいですが、サイトホームページに退廃美術展とも書いてあって、表記統一よろしくお願いします……となりました。どうでもいい)。

 

いろいろな立場があると思いますが、かつての所有者が所有権を主張する、というのがいまいちわからないひとももしかしたらいるのかも。『黄金のアデーレ』では詳細が語られていますが、もういいや、と投げ出してしまうひともきっとたくさんいたはずです。わたしがもし名画を持っていたら、やはり取り返したい、と思うかもしれないけれど、美術館相手にするのはきついものがあるなあ、とも。でも、個人の財産だったものは本人が望むなら戻るのがいちばんなのかもなあ、などとぼんやりと。とはいえ、日本含めて多くの美術館が寄贈品からなりたっているところもあることを考えると、大きな保管場所イコール美術館、という考え方もあるのかも、などといろいろと考えていました。

 

今も歴史は続いている、ということで、まだまだナチスが持っていた作品は隠れていそうです。有名なもののひとつがグルリット事件、映画でも触れられているので、多くは語らないでおきます。ベルンへは行ったことがあるんですが、グルリット事件前に行ったので残念ながら展覧会は観ることが出来ず。またベルンへ行くことがあるんだろうか。

そうそう、以前観た映画に、『ミケランジェロ・プロジェクト』というのがあるのですが、これがまさにナチスに奪われた作品を奪還しようとするモニュメンツ・マンたちのことを描いていて、この映画を観る前後に観たらぴったりではないかと思います。ちょっとおちゃらけたところもあるけれど、それなりに真面目に作っていてジョージ・クルーニーやるな、という感じです。なにげにマット・デイモンも(もう大御所レベルなのに)いじられ役で出ているところもいい。

 

それにしても、ゲーリングって化粧までしていたんですね。ここのところ個人的にヒトラー関係の映画を観ていたので何だか驚きました。知らないことがたくさんあるなあ、ということで。パンフレットがほしかったのですが、品切れで入荷も未定とのこと。手に入るといいなあ。

 

 

 

『バイス』を観る

映画観てきました。『マネー・ショート』のスタッフによる作品のせいか、かなりひねりも効いていて面白かったです。語り部はチェイニーとは無関係の男性なんですが、チェイニーと意外な接点が出てくるところがブラックで面白い。ネタバレになるのであまり言わないでおきます。

 

主役のクリスチャン・ベールがとにかくすごい。あなた誰ですか?っていうくらい違っていて、今どきのメイク技術もすごいし、体重増やして喋り方変えて、本当に役者としてすばらしい。

主人公はチェイニー元副大統領。日本でも、9.11.の際やイラク戦争云々のニュースの時には耳にした名前です。 政治に詳しいひとはいろいろ情報として知っているでしょうけれど、一般人からしたらその程度。でもその程度でもわかります。丁寧に説明してくれているし、わかりやすい。にしても、根っからの悪、というよりは失礼ながら少々小物感が漂うんですよね…学歴もそう高くはなく(イエール大学を中退)、特別政治に関心があるわけでもなく、奥さんは優秀だけれど、保守的な地域のため大学にも行けず、夫にすべてを託す、という具合で。酒に溺れて駄目な人生送りそうなチェイニーが一念発起して政治の世界へ入り、ラムズフェルドに弟子入りして政治を学び、ついにはラムズフェルドを追い越して副大統領になってしまう、んですが、それほどなんというか、政治家としてあまり魅力がなくて…政策もよくわからないし、全体的によく日本にもいそうな政治家臭ただようところがいいのかもしれません。結局見終わっても、そんなに悪くなかったのでは、というようにも思えました。よくわからない人物、とも映画の中で語られていたので、そのくらいしかわからなかったのかもしれませんが。あまりはっきりとは言っていないのですが、チェイニーはハリバートン社のCEOだったんだそうで、この会社、世界最大の石油掘削機の販売会社だそうで。ということは、イラク戦争でかなりの収益をあげているはずなんですよね。そういう情報がちらほら見えるだけで、ああ、黒い世界だな、と思ってしまいます。実際どれくらい儲けたかわかりませんが、CEOの退職金がすごい額で。それだけで裕福な生活が送れそうでした。

 

 『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルがブッシュ役っていうのもハマっていてよかったです。チェイニーよりブッシュの方がおばか扱いされていて、大丈夫?、となったのですが、アメリカ人はすごいなあ。生きてる人間がいてもこんな映画作れちゃうんだから。

監督のアダム・マッケイは、『俺たちニュースキャスター』というコメディ映画でもしられていますよね。すごくばかばかしくて好きな映画です。

こういう映画を映画館で観ると案外笑いが起きないのが不思議。わたしは随所でくすくす笑っておりましたが。アメリカ人ならゲラゲラ笑うのかな…。気になったのは、チェイニーがリステリンでうがいするところ。コップも使わず直に口に含んで、ぺっとするんですが、あれ、歯磨きの後水でゆすがないでリステリン?それに、直なんだ?とカルチャーショックでした。もしかしたら、オヤジ的な行動だったのかも。日本人からしたら、ああ、本場は違うな、という感想を持つばかりです。

 

 

『グリーン・ブック』を観る

ネタバレありますのでお気をつけください。

 

久しぶりに映画館で鑑賞しました。駆け込みでグリーン・ブック観てきました。以下、感想。

 

想像していたよりもずっとハッピーよりな映画だったなあという感想。白人の救世主映画という見方も出来、いろいろ批判もあるようだが、わたしはそれよりも暗くなりすぎなくて、この時代のことを全く知らないような若い世代にもおすすめできそうだなと思った。映画は’黒人’ピアニストシャーリーとイタリア系アメリカ人トニーのロードムービーアメリカ各地を通るので、それぞれの土地ならではの面白さがあって、のどかなアメリカが見られ、また当時の音楽が心地よく流れるのもいい。シャーリーはアリサ・フランクリンさえしらない。我々も一部の音楽ファンをのぞいてはしらないので、そうか、こういうのが流行っていたのかと興味深く観られることだろう。

ネットで先にフライド・チキンの歴史を知るために、Netflixの『アグリー・デリシャス』のフライド・チキン回を観ておくといいというのを見て、先に拝見。フライド・チキンと黒人は切っても切れない関係で、映画でも度々登場する。

運転手のトニーが無理やり黒人のシャーリーにフライド・チキンを手渡すところが印象的。そのほかにもチキンを食べる場面はあるけれど、旅の最後のコンサートを蹴って街の黒人のバーへ行った先でもチキンを食べる。手づかみで二人肩を並べて食べ、油まみれの手でシャーリーはピアノを弾く。スタンウェイでしか弾かないはずが、ここではどこのものかもわからないピアノで演奏する。演奏はみんなが驚くほど上手い。それにバンドメンバーが加わってセッションが始まる。その時のシャーリーの顔がいちばん輝いて見えた。

シャーリー自身が、自分は黒人とも白人とも違う、一体何なんだ、と雨の中で叫ぶ場面がある。それは、おれだって、白人とは違う、とトニーが言ったことへの反撃でもあったけれど、シャーリーの心の声でもあったのだろう。農村で畑を耕す労働者ではなく、博士でインテリ、音楽においては白人同様の教育を受け、行く先々で教養ある知識人たちの前で演奏を披露する。彼らは黒人であろうと偏見なく音楽がすばらしいことを理解するという前提でいるので、シャーリーは歓迎されるが、実際、黒人という枠で扱われるため、レストランの出入り禁止、トイレは外、ホテルは黒人専用(彼らが使うホテルの一覧が書いてる本こそがグリーン・ブックという)。そんな扱いにも耐えてきた。トニーは、時に乱暴な言葉や暴力を使い、「でたらめ」をして生きてきた。そういう生き方にシャーリーは釘を刺す。暴力では何も解決しない、と強く言った場面では、即座にマーティン・ルーサー・キングといった黒人たちの活動が想起された。しかし、トニーだってイタリア系というので狭い社会で生きてきたのだ。仕事は限られていたし、家族という輪からは離れられない。家族を養う、金のためにならある程度のイカサマはした。そういうのが当たり前の社会で生きてきたのだ。それでもマフィアにはならず善良な一市民として生きているという点ではかなりまともだ。とはいえ、言葉使いも何もかも教養ある白人とは違う。黒人なのにそうした教養を持ち合わせているシャーリーが奇妙に思えただろうが、彼の言っていることの正しさに理解を示す頭はある。それに、トニーの腕力のおかげでシャーリーが助けられたこともあった。まさに凸凹コンビ、『最強の二人』を思い出す。

監督のピーター・ファレリーは『メリーに首ったけ』などのコメディ映画を撮っていたひとのよう。確かにラストはコメディ映画に近いハッピーエンド感がある。

主演のヴィゴ・モーテンセンは20キロ太って臨んだという。誰がどう見てもイタリア系ではと思わせる演技はさすが。それにしても『ロード・オブ・ザ・リング』のアラゴルンだなんて誰が信じられる?という感じ。いや、この映画のヴィゴも十分格好いいけれど。マハーシャラ・アリは『ムーン・ライト』の役とは一転、言葉遣いや身のこなしなど、役者って本当にすごいなと。助演男優賞をもらうのも納得。

 これが実話というのにも驚きである。シャーリーの曲も聴けるようなので機会があれば聴いてみたい。

 

 

 

Netflixとアマゾンプライム

こんにちは。最近諸事情から前ほど頻繁に映画館へ行けなくなってしまったので、自宅で映画を観ています。グリーンブックは観たいと思っていますが、どうなることやら。

というわけで、最近はもっぱら時間がある時にNetflixアマゾンプライムです。すごく快適!いままでずっとスカパーで契約して、録画して、を繰り返していたのですが、録画機器の管理も面倒だし、観ようと思って探す作業も面倒、これを消すか残すか、の判断も面倒…ということで、オンデマンドは非常にわたし向きです。好きな時に観られるし、iPadで料理しながらも観られる。おまけに、Netflixだと字幕は自由につけられる!たとえば、英語音声で英語字幕、なんてことも出来る。Netflixではよくフルハウスを観るのですが、日本語音声の方がなじみがあるので、音声は日本語、英語字幕をつけて、原語がどうなのかをチェックしながら観ています。なんて便利な世の中なんだ…とにかくこれで映画欠乏症からは脱せられそうです。

最近観たのは、『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』と『ヒトラー 最期の十二日間』です。前者はゲイリー・オールドマンの演技がすばらしいとのことで、後者は最近亡くなったブルーノ・ガンツ追悼ということで。同時期に観てある意味よかったというか。どちらも名演技で見応えがありました。チャーチルのしたことは我々日本人にはあまり馴染みのないことですが、『ダンケルク』を観ていて、国民を救った首相だということがしみじみとわかっていたこともあり、内容的にはわかりやすかったです。ただ、これはイギリス人でないとわからないな、というようなところも個人的にいくつかありました。映画でそれぞれの国の歴史スタンスがわかるのも面白いと思いました。われわれがふつうに思っていることも、きっと外国人からしたら異質に思えたりもするのかもしれません。それと、映像になるとわかりやすいというのもあるかも。

ヒトラーのことはよく知ってはいるものの、最期どうだったのかをこれだけリアルに再現されると胸にくるものがあります(擁護するわけでは決してないけれど。ゲッペルズの子どもたちがどうしたって泣ける…。

このふたつの映画、どちらも女性秘書の視点で描かれています。その点でも対照的で面白かったです。どちらも聞き取りが難しそうで…チャーチルの独特の話し方もヒトラーの発音も。かつてドイツ語をやっていた身からすると、日常では使うことはない単語がたくさん出てきて、こういう話題をする時には使うんだろうなあ、などとぼんやり考えました。

そんなわけで、オンデマンドで観た映画の感想も書いていけたらと思います。