観てきました!映画『ジョージ・ハリスン リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』

毎週末観てますね、ここのところ。いいペースですね。
このくらいの頻度でほんとうは観たいんです。たまに一日2本観ることも。
マニアというわけではありませんが、映画館で観る映画が好きなんです、単純に。
しかし、今回は2本というわけにはいきません。
何せ、長い。

3時間半。

しかもドキュメンタリー。眠くならないか?ゴダールの映画で爆睡した恥ずかしい記憶がよみがえります。
しかし、わたし、いわゆるビートルマニアとまではいきませんが、かなり好きです。
もちろんCDは全てもっております(家族と共有ですが)。発売されてる映画等もすべて観ましたし、ドキュメンタリー系のものもできるだけ追ってます。一時会報誌まで読んでいました・・・立派なオタクですが、ビートルマニアはこんなものではないので、わたしなぞまだまだです。
はじめて聴いたのは小学生の頃で、母から英才教育(?)を受けました。
ジョージといえば、どれも素敵な曲ですが、初期ですと、「すてきなダンス」という曲がお気に入りでよく聞いていましたね。

さて、本題。2部構成になっているこの作品、1部は主にビートルズ時代、2部は解散から最期まで。
そんなわけで、ビートルズの映像はかなり追っていますし、伝説の類もだいたい知っているので、1部のほうは、「うん、知ってる」という部分が多かったのですが、それでも知らない写真や映像が。それもそのはず、かなりの未公開映像を取り込んでおります。妻のオリヴィアと息子のダニーのインタビューは貴重ですね。あとジョージのお兄さん2人もでてきます。もちろん、ポール、リンゴのインタビューもありますよ。それからオノ・ヨーコも。
とにかく、若いジョージがかわいい!ポールとジョンという派手な2人の後ろに隠れていて忘れられがちですが、とにかくかわいい!そして、ユーモアにあふれてる。

ジョンの宝石発言は有名ですよね?え?ご存知ない?
女王陛下がいらしてる演奏でのジョンの一言。
「安い席の方は手拍手を、その他の方は宝石をジャラジャラならしてください」
と言うんですよ(すこし台詞がちがっていたらごめんなさい)。
かっこいいい!!!
ジョンはシニカルなところがありますが、メンバー全員がそうだったとも言えますけれどね。
ジョージはだいたいインタビューのときにジョンやポールに茶々をいれることが多いんですがね。この映画ではいろいろと彼のユーモアをしることができます。

10分の休憩をはさんで、2部。
だんだんとジョージがインド宗教にはまっていくんですが。
ビートルズもサージェントペパーズあたりから方向性を変えていきます。
LSDにハマる時期もありましたね。なんか、ドラッグと音楽の時代ですね。なんとなく解放されたい要望が高まる時代ですし。
メンバーは家族のように仲がよかったのに、次第に亀裂が。
といっても、とても長く続いていたと思うんです。すごいことですよ。
メンバーもインドのマハリシなどにもはまりますが、ジョージはすごかった。
ラビ・シャンカールとの演奏なども貴重でしたね・・・インドでの映像もあまり観たことがなくて、ガン見でした。
ビートルズ解散後は、妻パティとの問題(エリック・クラプトンとの三角関係・・・レイラはパティのために書いた曲です・・・クラプトンも映像にでてきます)や、音楽性の問題などいろいろ混迷する時代。それを乗り越えたら、今度はガンです・・・ジョージ・・・でも、そんなことを表にださず(だしていないようにみえました)、ときおりジョークまじりで乗り越えていくんです・・・ホロリ。


この映画のキーは、精神世界と物質世界。
実は、1部からずっとその対立が描かれていたように思います。
当時の宗教学者のインタビュー映像などもいれこんおり、ミュージックビデオにしてかなり異色のようにも感じましたが、ジョージの人生を思えば、それはあってしかるべきものだなと思いました。
ジョージは精神だけの世界へ行こうとしますが、それでも物質世界に戻ってくるんです。その理由ははっきりとは言われていませんし、ジョージも言わなかったのかもしれません。
ジョージは、マントラを唱えるかのように、同じフレーズを繰り返して、歌を作ります。いままで、ジョージのソロはリピート多くて、若干疲れる・・・と思っていたのですが、それも意味のあることだったんだと、何かわかったような気がしました。

死ぬときの準備を誰よりも完璧に整えたジョージ。きっと今頃は天国でギターを弾いていることでしょう。

それにしても、音がすごくよかった。映画館が地響きするような低音が響いていました。いやー・・・今年観たドキュメンタリーではいちばん好きですね。
最後のリンゴの語りに、わたしも涙。

それではまた!