今日は展覧会観てきました。 『アンフォルメル』展inブリ美&『五百羅漢』展in江戸博

今日は展覧会観てきました。 『アンフォルメル』展inブリ美&『五百羅漢』展in江戸博

観てきましたよ。
洋物と和物とまんべんなく。

まずはアンフォルメル展のほうから。
ブリ美というのは、ブリヂストン美術館のことです。京橋にあるこじんまりした美術館です。
そんなに大きな美術館ではないので、小さめの展覧会が多いのですが、逆にそのほうがじっくり観れてよかったりします。
人が多い大展覧会というのは、なかなか体力いりますからね。
そうはいっても、密度の濃い展覧会でした。
正確には、『20世紀フランス絵画の挑戦 アンフォルメルとは何か?』展です。
長い。こちらの美術館、最近展覧会名が自由すぎるというか。。。以前『印象派はお好きですか』というのがあったかと思うのですが・・・「ええ、お好きですが何か?」って、答えたひとがいるとかいないとか・・・。
「何か?」は、それがなにか?って逆ギレの意味ではないですよ、念のため(そんなこと考えるひといないだろうけれど)。。。
1章から3章まで作品数73点(正確には1点増えたので74点)ですから、それほど多くはないですが、密度が濃い。
マネやモロー、セザンヌなどの近代絵画、世紀末絵画からはじまり、両大戦間、第二次大戦後のデュビュッフェなどの不定形絵画、そして戦後、現代のフランスの抽象画。
アンフォルメルは直訳すれば不定形。
それって、戦後アメリカの抽象表現主義とどう違うの?といわれると・・・難しい。
ここでの文脈はあくまでフランスにおける抽象画であって、アメリカの動向とは別物ととらえたほうがよさそうです(自信なさげ)。それぞれの視点によって捉え方が違うので・・・。フランスサイドからすると、アメリカの抽象表現主義アンフォルメル運動に含まれるだろし、アメリカサイドからすると、その逆だったりするのではないかと・・・。それなら別物ととらえて、この場合はフランスだけの動向、としたほうが・・・そういうことですかね、ブリヂストン美術館さん!(呼びかけ)
もちろん「表現」はしてますし、たとえばデュビュッフェはアフリカン・アートのような原始美術やアール・ブリュットのような障害者の方々のアートから影響を受けています。けれども一方で、ジョルジュ・マチューらの絵をタッシュ(しみ)としてとらえ、タシスムというような評論家がでてきたり(要は絵画における感情とか表現とかそういうものと関係なく、しみとしてとらえてるという、対極の理論ですね)。
こういう流れが分かりやすく追えると思います(わたしの説明よりははるかに)。

個人的には、この画家は近代、こちらの画家は現代、と分けていたものが、アンフォルメルという定義で、うまくつながるのが面白かったというか。。。
例えば、サム・フランシスとう画家は、わたしの中ではアメリカの現代画家として、別途分類してたのですが・・・ここにきてつながった・・・。フォートリエ、スーラージュ、ザオ・ウーキー、ニコラ・ド・スタールもそれぞれ別だったのですが・・・つながった・・・。
そうですね・・・例えれば、『ろくでなしブルース』っていままで不良漫画としてとらえてたけれど、ボクシング漫画でもあったよね・・・そういえば、『はじめの一歩』と連載期間かぶってるし・・・80〜90年代ボクシング漫画としてとらえられるよね(一方はまだ続いてますが)・・・みたいな感じですかね(無理がある)。

それから、日本へどういう風にアンフォルメル絵画がはいってきたか、という流れもよくわかります。
堂本尚郎さんの作品も数点展示されてましたね。日本のアンフォルメル絵画です。
それから、もうひとつ。
ポンピドー美術館のスーラージュの作品がきていました。キャプションによると、震災で借りられなくなっていたのですが、会期途中から借りられることになったそうで。
展覧会の会期の延期とか中止とかいうニュースが多い中、これはうれしいお知らせですよね。やるな、ポンピドー!やるな、ブリヂストン!(何様だ)
それと、個人的にものすごく興味深かったのは、スーラージュのインタビュー映像。
今年の3月に撮られたそうです。まさか肉声が聞けるとは・・・。
最新作は黒ばかりの作品と言っていましたが・・・・ほんとに黒ばっかり。
確か2年前にポンピドーでスーラージュ展をやっていましたね。フランスでもいまだに人気があるのだと実感した記憶があります。特別な存在なんだなあ、フランスでは。。

おっと、もうひとつ。
五百羅漢展。これは・・・完全に専門外で、逆にバカなこといいながら観れました。
狩野派最後の画家といわれる狩野一信が描いた、奇妙な絵。増上寺秘蔵の作品だそうですよ。
もちろんはじめて観ました。
百幅すべて展示されています。すごい!!圧巻の量ですよ。一幅に5人羅漢ずつで百幅ですので、五百羅漢。画家が途中で亡くなったので、最後の四幅は弟子が描いたそうなのですが・・・すごいの一言。迫力。。考えたら、19世紀ですから、リアリズムから印象派あたりの時代ですか。。

ああ、説明がいろいろ大変なので、監修者の山下先生の解説をどうぞ。

http://500rakan.exhn.jp/movie/index_yamashita.html


山下先生、かなりはっちゃけてる・・・。いいのか・・・。
仏様からでるありがたい御光のことをビームと言ったり、羅漢さまが傷の手当てするところを「羅漢病院」と言ってみたり、独特の表現されていましたね。まあ、作品もかなり笑えるものもあって、そういう解説だと逆に肩の力が抜けてありがたかったりするのですが。
この映像、会場でも流れていましたが・・・。大判振る舞いだなあ・・・。
いや、お金かかってる展覧会ですね・・・ひともたくさんいました。

そうそう、江戸博は隣に国技館があるので、なんとなく『はじめの一歩』思い出しました(そこは相撲じゃないのか?)。そういえば、東日本新人王ももうすぐはじまるのかな・・・観に行ったなあ、昨年。思えば、一歩熱再燃のピークで、いろいろと夢中で追い続けてた時期でした・・・。

ああ、また変な方向に流れそうなので、今日はこれまで。
羅漢展は会期が延長になって、7月3日まで観れますよ!

続きはまた!