映画のほうが評判いい気がしてきた・・・『善き人のためのソナタ』

映画のほうが評判いい気がしてきた・・・『善き人のためのソナタ


ええと・・・なんでか知りませんが、映画レビューのが評判いいいですか?(誰に聞いてる)
本当は『リリス』という映画を観たので、そちらにしようかと思ったんですが、「ええ?(マスオさん風に)」というラストすぎて、急きょ変更。。。。


旧東ドイツの国家保安省(秘密警察・シュタージ)である主人公の半生の物語。
ある劇作家と女優を見張ることになるのですが、とあるきっかけで、彼のそれまで厳格だった暮らしがすこしずつ変わっていきます。
簡単にいうとそんな話です。

この主人公のヴィースラーの生活というのが、すこし悲しくなるくらいにストイック。東ドイツってこんな感じなんですか?スパイですからね、恋人も友だちもいない。ときどき飲みにでかけるくらいで娯楽もない。飲み屋さんもまたもの悲しい。質素とおりこして、何もない。
劇作家のほうは、割と華やかな生活で(それでも質素ですが)。
まあ、でもおじさんとおばさんしかでない、ほとんど色気のないこの映画ですが、いい映画ってそういうの関係ないんだなと思いました。さびしいというか、せつない話なんですが、さびしすぎないというか・・・。
いや、ひとつひとつは小さなエピソードというか、派手なアクションはありませんし、派手な動きもありません。
非常に静かに、地味にひとつひとつのことが積み重なり、あるひとの人生を変えるのです。

前にも言ったとおり、静かな映画が好きなので、ほんとうにこれはドンピシャで好みの映画です。
東ドイツのイメージにもよると思いますが、東の生活は理想的なところもあったと思うのですが、やはり西に比べると質素。というか、ドイツ自体とても質素な国なのに、それより質素って・・・。
かつて東西ベルリンがわかれているときに留学していた方の話・・・西のほうに留学されていたその方は、東へ行ったときに(留学生は交流目的で東へ行くことができたそう)、あまりの物質のなさに驚いたのだとか。例えば、コーヒーはたんぽぽから抽出されたたんぽぽコーヒー、コカ・コーラのような炭酸はなく、走る車はトラバント
トラバントが悪い車というわけではないですけれどね。
どうしてこんなことに?って、東は西と交流たってるわけですから・・・共産圏からしか物資はもらえないんですよね。当然コーヒーの原産国とも国交ないですし、物質的には限られたものしか入ってこない。おまけに紙幣も違うし、物質の価値も相当違っていたのだとか。


アイスクリームに関しては、前にNHKの特集でみたなあ、と思ったら、下記サイトさまにこんな記事が。
ベルリンの壁崩壊後の東のアイスクリーム屋さんの話ですね。

素晴らしきドキュメンタリー!  テレビから世界へ情報発信!
http://ameblo.jp/kirimarukun/entry-10388659379.html

まあ、統一後、東の国のひとの失業率が上がったとか、いろいろあって、統一しなくても幸せだった、なんていうひともいらっしゃるようで・・・たしかこの番組はそんなニュアンスが含まれていたと記憶していますが・・・。何せわたしの記憶なので、あてにはなりませんが。。。(残念なお知らせ)。
生活事情に関しては、『グッバイ!レーニン』のほうが詳しいのではないかと思います。そちらもコンボで(何の宣伝だ)。

こちらはそれよりは国家とある男の話ですからね。。

ちなみに、この映画、わたしはなぜかフランスで観ました。
ドイツ語でフランス語字幕でスパイものなんて観たってわかるもんじゃない(じゃあなぜ行った)。
日本でもう一度劇場に足を運びました。それでようやく理解・・・。

これは観ていただきたい映画なので、あまり詳細は語りませんが、主人公を演じたウルリッヒ・ミューエは亡くなりましたよね。本当に東のひとだったらしいのですが。
女優役は、『マーサの幸せレシピ』のマルティナ・ゲデックですが・・・なんだかわたしにはおばちゃんに見えてしまいました・・・。劇作家役は、『ブラック・ブック』のセバスチャン・コッホ。『ブラック・ブック』は気になってまだ見ていない映画です。


何度も同じようなこというようですが、しみじみといい話です。
よかったらぜひ!

続きはまた明日!