吉田秋生『海街diary 1 蝉時雨のやむ頃』(小学館、2007年)

吉田秋生海街diary 1 蝉時雨のやむ頃』(小学館、2007年)


前も言いましたが、吉田先生大好きなわたし。
最近はこんな家族ものを描いていらっしゃいます。

テーマは家族愛といいましょうか。
鎌倉に住む香田家の3人姉妹の父が亡くなって、母違いの妹すずを預かることに。
まだ中学生のはずなのに感情を押し殺して、頼りない母親を支えてきたすずちゃんに涙しますよ。
3姉妹もまた強烈な個性で。しっかりものの幸お姉さん、酒飲みの佳乃、アフロヘアの千佳。
すずは地元のサッカークラブ湘南オクトパスに入り、男の子並の技を披露します。
かっこいい!
わたしは3姉妹のなかでも佳乃ちゃんが好きです。だめだめっぷりがいい。。
人間模様というか、どろどろしたところを描くのはとても上手ですね。
すずちゃんの葛藤とか、幸お姉さんの気持ちとか、佳乃ちゃんの恋愛模様とか。
気持ちの変化がとてもよくわかります。それが人間らしいというか、どろどろとしているところもあって。
お父さんは、お母さんを捨てて、他の女性と一緒になって、そんなの、若い女の子にはつらいですよね。
そんな感情とか、でもお酒飲んで飲みまくるとかそんな明るい部分もあって。
バランスがとてもよいですね。


初期のころと比べると絵柄はだいぶシンプルになりましたが、シリアスな顔みているとやはり昔の絵の面影が・・・(当たり前か)。
力抜いたとき(ギャグっぽいとき)の顔が、なんともいえないふわっとした絵柄で。退行した?というか、ギスギス感がなくて、ちょうどこのテーマに合ってる気がします。
この話、実は『ラヴァーズ・キス』の続きというか、すこし重なった話なのですが、あまりに絵柄が違くて、最初わたし同じ頃の話だとは思わなくて・・・ななか頭の中で整理できなかったんですがね・・・。
でも、あれ、この人・・・という人が数名でてきますよ!
あまりいうとネタばれになるので、こそっと知らせておこう。。。


続きはまた!