ウーヴェ・ティム(著)浅井晶子(訳)『カレーソーセージをめぐるレーナの物語 』(河出書房新社、2005年)

ウーヴェ・ティム(著)浅井晶子(訳)『カレーソーセージをめぐるレーナの物語 』(河出書房新社、2005年)


なんとなく本棚を整理する休日。
この話をする前に・・・・カレーソーセージってご存知ですかね?
ベルリン、もしくはドイツにもあると思いますが、ドイツへ行ったことがある方ならご存知でしょう。
ソーセージにカレーソースがかかったもの。カレーソースといっても、日本のカレーとは別物で、ケチャップにカレー粉混ぜたようなもの。
え・・・と思いますよね。そんな代物ですよ。でも、多分ドイツ人にとっては特別なソウルフード
日本人にとっての納豆、味噌汁みたいな、そんな感じですかね。

そのカレーソーセージ(ドイツ語ですとカリーヴルストまたはカレーヴルスト)についてのお話(小説)なのですが。
時は大戦中、ナチス・ドイツ支配下のドイツ、レーナという中年のおばさんが主人公です。
実はこのカレーソーセージ、ベルリン発祥説とハンブルク発祥説があるようなのですが。
ここでは後者をとっています。主人公である「僕」が元祖カレーソーセージをだしていたであろうレーナおばあさんを訪ねます。
そしてレーナおばあさんのお話がはじまるのですが。
この物語の構成が実にすばらしい。レーナおばあさんの回想とともに話者がいれかわり、見事に時間軸が構成されているのです。
おまけに、内容的にも実に濃く、なんというか、肉づきのあるストーリーというか、人間ドラマといいますか。
人生ってこういうのをいうんだな、と、とある人物の半生を追った演劇か映画何かを見ているような気分になります。


実は、この小説を読んで、わたしも書いてみたいと思ったんです・・・。
内容的にも文章的にもすばらしくて。翻訳された方たいへんだったと思うのですが、時制の使い方もすばらしいですね。
あまり内容に触れておくのはやめておきます。お持ちでない方はぜひ!


ついでに歌も・・・・。
かつてドイツ語の授業で紹介された歌です。
ヘルベルト・グレーネマイヤー(Herbert Gr〓nemeyer)のカリーヴルスト(Currywurst)です。
ちょっとドイツに思いを馳せて聴いてみては?ちょっとブルースみたいな感じのポップスです(多分)。

http://www.youtube.com/watch?v=fZvyVjcm2QU



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