細野 不二彦 (著)  『ギャラリーフェイク美術館 』 (ビッグコミックススペシャル、小学館、2005年)

細野 不二彦 (著)  ギャラリーフェイク美術館 』 (ビッグコミックススペシャル、小学館、2005年)


けっこう前に出た本ですが、ご存知の方いますかね。
ギャラリーフェイクの登場人物やエピソードを交えて、紹介してるんですよ。
すげーな、おい。。
構成は、作品紹介、美術館紹介、テーマ・リサーチ、コミックス・レビューと盛りだくさん。
カラー図版はもちろんのこと、年表や地図、「''教授''フジタの美術講座」なんてコラムもあって。
ところどころに漫画のコマも挿入されていて、よくできてる本だなと思います。
ガイドブック的な美術書、プラス、漫画エピソード、という感じですね。



まあ、わたしは、この漫画読む前から美術に興味はありましたよ。ええ。
でも、これを読んで美術の道を志す若者が多いともきいています。



でも、でも、わたしはこの漫画、漫画として非常によくできていると思うんですよ。。
三田村館長が美しいとか、藤田がヘタれだけどかっこいい、まさにツンデレ王子(王子というには年があれですが)だとかですね、
サラちゃんみたいなかわいい、しかもかなしいエピソード携えた少女とかですね。。
国宝Gメンの知念さんがおかしすぎるとか。。
物語的な、そしてキャラ的な完成度を、わたしはここで主張したい。


フジタは、ちょっとブラック・ジャックとかMasterキートンにキャラがかぶってませんか、ね?
修復技術はブラック・ジャックの手術の腕みたいだし、あのフジタの目利きは、キートンの真贋を見極める眼と近いものがあるし。。
でも、体力なくて、カニが好きっていうのは別キャラですし、なんたって、サラちゃんがいるからね。。
サラちゃん、お金持ちでちょっとおばかなんだかれど、かなしい過去をもっていて、それでフジタのことが好きで。。
腕のやけどの傷を気にしてるんだけれど、メイキャップアーティストのひとに化粧してもらって、堂々と腕をだしてフジタの前に現れて、女らしくなったりですね。。(手元に漫画がないのでうろ覚え)
あと、ベトナムとか行く話もいいですよね(もっとうろ覚え)。。
知念さんとのやり取りも好きだし、ツンツン女王様の三田村館長も好き。。
脇役ではエリザベータもかわいいし(フジタの子どもと偽って現れるんですよ、確か。。。)それで歌が上手くて、歌手かなにか目指すのに音楽学校いくんじゃなかったかな。。
あと、ジャン・ポール香本!あいつなんだったんだろうな。。割と何回かでてきたけれど。。
左官のおじさんの話とか、女泥棒の話とか、ミステリー・クロックの話とか。。あー、もう一度読み直したです!


でも、実際、フジタみたいな人、そうそういやしません。。っていうか、修復もできる学芸員なんているのかしら、と思ってしまう。。
どちらもすごく専門性が高いお仕事だから、多分両立している人ってもものすごく少ないと思います。。
でも、こんな人、身近にいたら、なんて考えたら、想像するだけで面白いですよね。


もう、美術館紹介どうでもいいみたいなノリになってますが、そんなことはありません。。。
ヨーロッパ、アメリカの大きな美術館や代表作を知るのにすごくいい本ですよ。。




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