萩尾望都(著)『 レオくん』 (フラワーコミックスアルファ)

萩尾望都(著) 『レオくん』 (フラワーコミックスアルファ)

いや、一歩今から書くの無理でして。。。完全に読み切ってはいるんですが。明日ですね、明日。



あ、それから、各方面で『キノコ・キノコ』が妙に好評でびっくり。。
いや、でもほんとハートフルコメディですからね!!感想ありがとうございました!



さて、レオくん。
萩尾先生、ネコ大好きなんですよね。
猫漫画に短編書かれたこともありますしね。
萩尾先生にはいろいろ思い入れあるというのに、なぜにこれ。。
バルバラ異界』でもいいんですが、あれは読むのが時間かかるので。。説明できる自信もあまり。
というわけで、ほのぼのレオくん。
だって、お隣のタツル君が学校行くからって、レオくんも行っちゃうんですよ。ネコなのに。
がんばるんだけれど、ネコですからね。。席にはじっと座っていられないし、おしりなめちゃうし。
でも、がんばろうするんです。けなげ。。



ネコ飼ってるひとは非常に共感できるんでしょうねえ。
わたしは飼ってませんけれど、気持ちはわかる。



縁側は雨だから、玄関に回ろうとするレオくん!
「おえんがわは雨だったけどおげんかんはちがうもん」
ネコが家の中をうろうろしてるときは、こういうこと考えてるのかもしれませんよね。
そう思うと、なんだか可愛くて。
「同じだって」という人間のママの言葉も聞かず、
「ちがうもんちがうもん。おげんかんとおえんがわは雨だけど、お台所はちがうもん。前ここから出たときお天気だったもん」
「ホホー。パラレル世界にきみはいるのかい」



こ、このママのツッコミ!!バルバラですか??
いい、ですね!!ここは現実だといわせていますね。。
いや、ネコが話してる時点で、パラレルなのですけれどね。



で、一話づつ短編で、どれも好きなんですけれど、「ヤマトちゃんの恋」をご紹介。
ヤマトちゃんから見た、レオくん。最初の話のヤマトちゃん視点の話です。比べてみると面白い。
同じクラスで、最初はレオくんのことばかにするんです。ちなみに、ヤマトちゃんは女の子ですね。



「しかたがありません。レオくんはバカなんです」


・・・・ひでーな、おいっ。とツッコミを入れたくなったのはわたしだけではあるまい。。。



でも、レオ君が泣きだして、先生が、おうちに帰りたいときいて、



「え・・・・帰っちゃうの・・・・?」


って、え?え?


「レオ君は泣きながら歌ってました。ほんとにへんな子レオくんは・・・・私は・・・・・私は・・・・・」


うーん。。ここの表情がいいですね。。ヤマトちゃん、揺れ動いております。
で、タツル君と一緒に下校してて、レオくんがとびだしてきたら、すっごい嬉しそうな顔して笑うんですよ、ヤマトちゃん!!
か、かわいい。。


でも、「レオくん遊んでばかりじゃダメだよ。お勉強しないとりっぱな人になれないよ」



タツル君がプリンあげて、レオくんが喜んだからやきもち、プラス、学校きてほしいっていう気持ちが交錯して。



でもレオくんが、「いいもん!だってぼくネコだもん」



って・・・。ついに開き直ったかレオくん。学校行きたかったんじゃないのか。。というのは置いといて。

そしたらヤマトちゃん、ぽろぽろ泣きだして。



「私はお勉強のことが言いたいんじゃありません。レオくんに学校にきてほしいだけなんです」

わー。。。わかる。。。この女の子の気持ち。。


「・・・それでも私はレオくんまた学校にこないかなと思います」

「そして音楽の時間はレオくんが泣いてなくてレオくんと歌えたら楽しだろうなぁと思います」



そうだねー。。。楽しいだろうね。
こういう、ちょっとほのぼのタッチなレオくん。でも萩尾先生ですから、ちょっとひねりもあります。
なんというか、屈折というか、悲しい面があるんですよね。
萩尾先生が描くキャラクターって、ほんとに不器用って人がでてきますよね。レオくんはその不器用キャラの最たるもの、かもしれません。

そうですね。。萩尾先生の作品としてはかなり異色ではありますが、ネコが人間と同じようにしてるあたりが、異次元で、やはり萩尾ワールドだなと思います。
でも、いわゆる小難しい話ではないですし、結構萩尾先生もお好きで描いているという気がして、なんとなくほっとしたいときに読みたい一冊ですね。
ネコ好きは、必携かもしれません、ひとつひとつの動作がかわいい!
数ある猫漫画の中でもちょっと異色の作品ですかね。いや、『クレムリン』とかもあるし、異色とは言いきれないですけれど。
吉田秋生先生といい、大御所の方が自由に好きな漫画を描くと、こういう感じになるんでしょうかね。
作りこみすぎないものもたまにはいいですよ。
その割に作りこまれますけれどね(どっちだ)。




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