今市子(著) 『萌えの死角 』2巻 (ニチブンコミックス)

今市子(著) 『萌えの死角』2巻 (ニチブンコミックス)

 今市子先生と言えば、『百鬼夜行抄』で有名ですが、数多くのBL漫画を描いていることでも知られています。とはいえ、たいへんソフトタッチ(絵柄も含めて)で、文学的ともいえる表現がたいへん美しく、万人向けの漫画といえるでしょう。大抵、主人公がちょっとヘタレ気味だったりして、なんだかとても共感できるところもあり。。。
 そんな今先生の漫画エッセイ、『萌えの死角』。萌えないはずがない。。とはいえ、ふとこの本を思い出したのは、昨日レビューした『男色(なんしょく)の景色―いはねばこそあれ』を書いたからです。文学作品に見られる男色として、アンドレ・ジッドの『狭き門』と三島由紀夫の『仮面の告白』が紹介されています。文字による説明ではないので、その分はいりやすいと思います。
 日常の萌えから、漫画、劇、そして文鳥まで。。BLの世界は満ち溢れています。
 ちなみに、文鳥は今先生が飼っていらっしゃる文鳥のことですが(文鳥だけの漫画『文鳥様と私』も出版されています)、彼らは性差なくお付き合いするんですねえ。。これが異例なことなのか、通常のことなのか、よくわかりませんけれど。。
 それにしても、この漫画のレギュラーの登場人物がすごい。腐女子にして歴女A嬢は、BLドラマCD1000枚所有されているそうです。。金額に換算すると、ものすごいことになります。。スペースもとるでしょうに。。
 個人的には、ドラマCDレポとスタジオライフの公演と、萩尾望都先生の漫画『トーマの心臓』がとても興味深かったです。『トーマの心臓』、つい読み直しましたもの。。「レドヴィ、時計をだしたまえ!」って台詞、確かに名台詞です。。
 「どの道を通ってこようとどうせ今はこうして同じ腐女子なんだからさ」って、ローマの道はローマに通ずよりも説得力があります。。。
 それにしても、今先生のセルフポートレイトって、どうしていつもはんてん羽織っていらっしゃるのかしら。。季節関係なし?


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