レビュー J・ホール (著), 高階 秀爾 (翻訳)  『新装版 西洋美術解読事典』(河出書房新社; 新装版版 、2004)

J・ホール (著), 高階 秀爾 (翻訳)  『新装版 西洋美術解読事典』(河出書房新社; 新装版版 、2004)

一歩のレビューが書き終わらないので、こちらを先にアップしておこうかと。。
先の『西洋美術史』が教科書だとすると、こちらはまさに事典です(まんまです)。
フランス文学専攻の人がフランス語の辞典をもつように、この事典を必ず見ます。
ちなみに、辞典と事典は意味が違います。。ご承知とは思いますが。。。
辞典はことばの意味を説明するものを指しますが、事典はことがらの意味を説明するもので、図像についてのことがらを説明してます。図像って?とお思いでしょうが、西洋画(古いものを想定してください。。現代アートはまた別な図像があったりしますが。。)をじっと見たら、必ずと言っていいほど疑問が浮かんできます。「なんでハトがおっさんのうえにいるの?」「あのおっさんの横になんでライオンが?」などなど。。そうした疑問をすぱっと解決してくれるのがこの事典なのです。神話と聖書と、両方の事柄が書かれていますので、大抵の初歩的疑問はこの本で解決できます。
図像に興味がなくても、なるほど、こういう意味があるのか、面白いな、と思えること多々あると思います。
例えば。。。7つの大罪のうちの傲慢。
中世では傲慢を表すのに馬から落ちる騎士として描かれていましたが、それを踏まえて、聖パウロダマスクスへの道の途中で馬から落ちるという主題が描かれるようになった(伝説では馬に乗って旅していたようですが)、とか。ルネサンス期には傲慢の女性像は、高慢な孔雀を伴い、鏡を手に持つ、とか。

本当は、『鋼の錬金術師』に7つの大罪がでてくるから、そんな場面ないのかなー、とぱらぱらめくって結び付けようと思ったのですが、ちょっとすぐには見つからず玉砕。。見つかったら、そのうちアップします。

まあ、そんなこんなで、調べものするにはやはり手元にほしい本です。インターネットで正確に調査するのは難しいですからね。。




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