映画『ゴーン・ガール』を観る☆後半ネタバレあり

久しぶりに映画レビューですね。
マイペースにやっていこうと思いますので、今年もどうぞよろしくお願いします。
もう少し頻繁に書いていけたらいいなと思っています。

さて、2014年最後に観た映画は、『ゴーン・ガール』でした。訳せずとも意味はいなくなった女の子、と言ったところでしょうか。
アメリカでベストセラーになったミステリー小説を映画化したものです。『ゾディアック』や『ソーシャル・ネットワーク』『ドラゴン・タトゥーの女』で知られるデヴィット・フィンチャー監督作。最近では『ハウス・オブ・カード』という人気ドラマの監督でも知られています。
一方主演のベン・アフレックといえば、最近では『ランナー・ランナー』で悪役を演じておりましたが、この映画では、愚夫ともいえるさえない三枚目ニックを演じています。
物語中盤までは、こんなに彼自身に穴があってはうまくいかないだろうに、かわいそうに、と思っていたら、思わぬ展開(妻のしていることが映画内で明らかにされます)で、どちらがうまくことを運ぶのか読めない展開に。

妻のエイミー役にはロザムンド・パイク。はじめはやはりあまりさえないかわいそうな妻かと思いきや、途中からものすごいたくらみをしていたことが明らかに。後半はこの方の美貌が見所のひとつともいえます。
いわゆるミステリーものというのは、犯人視点や警察側の視点などさまざまあると思いますが、この映画では警察はほとんど役目を果たせません。かわりに、妻をよく知る夫と弁護士が活躍するわけですが、その弁護士がいかにもアメリカらしいというか。メディアの使い方をよく知ってるなというかんじ。大衆の心理をつかむのはこういったひとなのでしょうね。
日本でも不可解な事件はワイドショー的番組はで取り上げられますが、アメリカもその点は一緒だということがよくわかりました。



ここからは激しくネタバレです。

すごいなと思ったが、妻の事件の作り込み方。わざとそれらしい殺人現場に仕立てて、自分は逃亡して、夫に罪を着せるわけです。その手口が本当に汚いというか、こわい。ゲームをしている夫に自分にかけた保険金を引き上げる署名をさせ、近所の頭の悪い主婦(という言い方を妻がしています)と友だちになり、妊娠を打ち明け味方につける(尿は妊娠中の彼女からとる巧妙さ)。現場はわざと穴があるように作り込み(夫が偽装したように見せかける)、夫のクレジットカードを使い込む(借金を理由に自分を殺害しているように見せるため)、買った商品は夫の双子の妹の家の倉庫へしまう。もうほんと悪いとしかいいようがないし、こわいです。
そして、自分を好きだった男を利用して(途中変装して逃げ回るも、金を取られて困って彼に連絡する。これも計算だったのかもしれませんが)、最終的には、彼を殺害して、夫の元へ戻るという。
警察にも打つ手がなく、結果としてニックたち夫婦は出版物やらテレビ出演やらで借金とはおさらばした模様。元々妻のほうは両親の借金のせいでお金がなかった上無職になっていたわけ(と途中で説明が入ります)ですから、彼女にとっても好都合だったことでしょう。夫婦は共犯関係にあり、おまけに夫が保存していた精子で妊娠も果たした妻。夫も彼女からもはや逃げることもできないでしょう。もはや偽装し続けるしかないことをにおわせて、映画は終わります。
救いようのない話のようですが、「完璧なエミリー」(母親が書いた小説の主人公)のモデルとして生きることに疲れたエミリーの新しい一歩だったのかもしれません。
エミリーの唯一の失態(ではないのかもしれませんが、そう見えました)は、変装して住んでいたコテージのようなところで金を巻き上げられてしまったところでしょうか。みじめな格好で自分より地位の低いひとに騙されたのは屈辱だったのだろうな、ああいうひとにとっては。それゆえに同級生の家に転がりこんだのかもしれません。

ともかくもぞっとさせられた映画でした。

ロザムンド・パイクといえば、「ワールズエンド」でマーティン・フリーマンの妹役で出演していましたね。すっかり忘れておりましたが、それ観たときもやたらきれいだなと思いました。知的なブロンド美人ってこわいなあ。

というわけでまた!