お能を見てきました・・・in 宝生能楽堂

今日は・・・本来ならば3月にやるはずだった春の別会能へ行ってきました。
演目は、能「頼政」、狂言「子盗人」、仕舞「難波」「網之段」「草薙」、能「隅田川」、仕舞「竹生島」「西行桜」、能「道成寺」です。

12時から17時55分まで・・・長い。
休憩がトータル30分ありましたが、長い。


とはいえ、道成寺を見る機会はあまりないので、とても楽しみでした。
学生時代、能の授業を受けて(講義です)、数度テレビや能楽堂で観ましたが、今回は本当に久しぶり。
毎回眠気と戦うのですが、今回は・・・眠くなかった。
ついにわたしも能に慣れてきたのか・・・。
友人が宝生会の会員なので、チケットをとってもらって。満員御礼でした。


頼政」は割と珍しいもののようでして。最初の方は単調なのですが、後半頼政が亡霊となってでてくるところがすごい。刀を持って、どんどんと足を鳴らす姿は迫力ありました。静かな能なので、特に後半の動きには驚きました。
涙を手に取るところが・・・見ていて泣けるとかいうことではありませんが、「ああ、悲しいのだな」というのはわかりました(何いってんだ)。バレエの身ぶりと一緒ですね。泣く身ぶりなわけです。音楽も頼政がさびしいときにはさびしい音になり(これも多分、波の音とか、意味があるんだと思いますが、どの音がどれなのかはわかりませんでした・・・)。


「子盗人」は、びっくりするほど動きが速い!おじいちゃん、大丈夫か?とはらはらしました。
くるくると高回転で回るので。でも子どもの小道具やら、盗人を退治する様子とか、コミカルでほんとうにたのしかった。狂言って台詞も分かりやすいし、ほんとに癒しですね。


仕舞は・・・ああ、踊ってるくらいしか・・・(ひどい)。
まあ、足が大事ですよね・・・弓道をやっているんですが、ほんとにそう思います。この足運びができないんですよ。


さて、「隅田川」は、これも変わってましたね。要は、母子再会の話。本来ならば春の演目なんですね。竹やぶみたいな小道具がでてきて、子どもがその中に入っているんですが。ワキの船頭さんがいろいろ話すんですが・・・正直聞き取れない・・・。これはわたしの問題ですが、よくわからないけれど、とにかく子どもに会えないんだろうな、と。それで、子どもの声が地謡とともに聞こえてきて、おや、と思っていると、亡霊の子どもが。髪がぼさぼさ長いのですが、やはり子どもはかわいい・・・。お母さんに会えそうで会えず、すれ違う。子どもの声が高く響き渡って。終わり方がけっこう唐突でびっくりしましたが。じゃんと音楽が終わって、だだだ(退場)という感じ(わかりますか、これ)。


そしていよいよ「道明寺」。
鐘を準備するところからして、たいへんそうだなとわかります。どうやらこれは新人の登竜門的演目らしく、新人がいないとやらない演目のようです。
乱拍子と言われる舞が・・・正直、間違えてしまったのかと思いました。はあはあと息も聞こえるし・・・・。わたしは中正面に座っていたので、柱でよく見えないからなおさら・・・。どうした、何が起きた・・・。
実は、小鼓を打つことで、一歩ずつ動くという超スローな動き・・・息は、どうやら足をだすための拍子だったらしく。びっくりしたよ!!何事かと思った。
鐘にはいるところとか、そういう問題以前のところがたいへんそうだなあ・・・。
みんなで作る能です!という感想・・・(ダメな感想)。
大勢で鐘を押さえて、ワキとワキヅレがシテを盛り上げて。ちょっとだけ笑いもあったし、音楽も途中からかなり激しくて。よくできたお能です。最後にはやはり狂った人は勝ちません。そそくさと逃げながら、出口近くでポンと飛びます。あの能面で視界はほとんどさえぎられて見えないだろうに・・・。
2時間近くありますからね・・・ほんとに長い。乱拍子が長すぎやしませんか?いや、否定するつもりはありませんけれど・・・・。小一時間やってたんじゃないかな・・・。ここはさすがに気が遠くなりそうでした。

まあ、狂言がいちばんリラックスして見れるなあ、やっぱり。言葉がわかるってすばらしい。笑いってすばらしいと思いました。

今日はこのへんで。
あ、そうそう、お能と言えば、『花よりも花の如く』。
主人公の憲ちゃんは、道成寺を踊るといわれるんですよねー。どうなるのだろう。