今日も映画レビュー『ザ・ウェイヴ』

今日も映画レビュー『ザ・ウェイヴ


さてと・・・なぜか映画レビューばかりですが。
これなあ・・・。ちょっとぞくっとする映画です。
わたしはこれ、確かドイツ映画祭で観たのですが・・・日本公開は2009年ですが・・・わたしは2008年の映画祭で観たのかな・・・覚えてない。なんと監督にサインまでもらったというのに・・・!
デニス・ガンゼル監督、パンフレットが見つかりません(緊急呼びかけ・・・日本語分からないだろうに)。
まあ、『エスes』ってドイツ映画ご存知の方なら、ああいう感じと言えばわかるかと思うのですが。


突如クラスが独裁政治の餌食になるんですよ。
授業の一環で行ったのに、あっという間に独裁制が横行しちゃうんです。
みんな白いシャツを着て、リーダー(先生)を敬う、許可なく発言しない、とか、ごくごく単純なルールで構成されているんですが。
恐ろしいのが、これが実話だということ。。。。こんなにも人は染まりやすいんですか?


それでもって、こんな心理実験、結構心理学を学んだ人には、ほんとにやられていたということをご存知でしょうね。
ええ・・・先に述べた『エス』が、囚人と看守実験という典型的な実験を実際行ったという話で、これもまた同じような効果が見られる実験なのですがね。
役に徹すると、その役がまるでほんとうの自分の姿のように感じ、独裁者役の人も自分がそうだと思いこみ、服従する人は、ほんとうに服従していると思いこむ・・・なんておそろしい。でも、低次元のレベルでは、こういうことって行われてりいるのが普通で、例えば、お母さんはお母さんの役を演じていますし、課長は課長の役を演じてますよね?
もちろんそうじゃない方もいますが、少なからず自分の役に影響は受けているものです。
夫の前では妻を演じ、友だちの前では友を、母親の前では娘を演じているわけです。
そうじゃないと、母親の前で「どうも、夜分遅くに失礼いたします」なんて言うへんな娘になっちゃいますよね?(もちろんふざけて言うことはあるでしょうけれどね)
だんだんと独裁制に染まっていく様子が描かれているわけですが・・・もちろん反乱分子もいますよ(笑)。
しかし、全体主義とは恐ろしいもので、従わないものは排除していくことになるんですよ。
そんな恐ろしいストーリーを、実にうまく表しています。
ウェイブは、波のことで、それがチーム名なのですが、彼らを表す象徴でもあって、まさに波は止められない、という気がしました。


教師役のユルゲン・フォーゲルは、ドイツでは有名な俳優らしいのですが、なかなか印象的な俳優です。
夏にちょっとぞっとする話を観たい方におすすめです。



今日はこのへんで。短くてすいません。