『二流小説家』を観る

こんにちは。
久しぶりの日本映画です。
春頃(曖昧な記憶)に、『桜並木の満開の下に』を観て以来ですね。

今回なぜ観る気になったかというと、理由は2つ。
ひとつは毎朝聴いているInterFMで何度も宣伝していたから。
もうひとつは、主演が上川隆也さんだから。
た、単純…。
実は、『大地の子』を観てから虜になりまして。かつてほとんど観なかったドラマも彼が出ているとあれば観ておりました。最近はてんで追っておりませんでしたが、主演映画とあらば、観なければと立ち上がるのにそう時間はかからず。

彼の何がいいって、実直な役も悪役も何でもうまくこなせるところ、ですかね。
今回はとても小心者な役柄、でしたね。好きなんですよね、上川さんの小市民役(笑)。うわあ、って驚いた顔が何とも。いつもコートとマフラーをつけているところもまた…用心深いというか某探偵を思わせるというか。そういう演出もよかったです。喫茶店でもコートを脱がないのでちょっと笑ってしまいました。ま、まさか、監督、SHERLOCK観てますか?
映画はサスペンス仕立てで、時折どきどきするショットが多数ありました。
とはいえ、窓の外からのショットが多すぎて、多少面くらいましたが。

物静かに事件に関わっていく小説家の姿…何だかとても参考になりました。
たまに執筆をする身なので(といってもそれほどひと目に触れるものを書いているわけではありませんが)、いろいろ参考になりました。
主人公の部屋はものすごい量の本が積み重なっていて、二流、と言っていますが、作家としての野心が見え隠れ。
この本のある部屋がわたしはすごく好きでした。部屋のインテリアもレトロで興味深かったです。

最初は少しだけギャグっぽい要素もありますが、途中からはスリリングな展開に。
最後の30分の映像には、多少??が飛び交いましたが(この場面いるのかな?的な)、よくまとまっていたなあ(決して上から視線ではありません)という印象です。犯人の動機の部分が多少わかりにくかったなど、個人的にはよくわからないところもありましたけれど、そこはまあ目をつぶっておこう。
そう、武田真治さんの演技がよかったです。あまり彼の演技については知らなかった(バラエティのイメージが定着してました)ので、びっくりしました。そういえば前に観たドラマでも悪役を演じていたかも。時々映像で観るとどきっとします。あえて、なのでしょうが、肉体もすばらしいことが服越しにもわかりました。
上川さんは、でも何というか、変わらないなあという印象です。いい意味で、です。舞台俳優だけあって、演技のキレがいいというか。驚く場面にしても、無駄なく、そして間違いなく(?)驚くんですよね。それは初めて彼の演技を観た時にも感じました。単にわたしが舞台俳優が好きなだけなのかもしれませんが。海外の俳優と一緒に演じてもらいたい、なんて勝手な願望というか、妄想していたり。
小説家、探偵、このあたりの役がハマり役なのかもしれない、とも思いました。
いい映画と思ったのですが、観客が平日ということもあり、少なかったのが何より残念。

完全に蛇足ですが、賀来千香子さんのメイク係の方だけ他の方と別だったことに驚き(エンディングの際のクレジットで目にしました)。

それではまた(*´∀`*)次に観るのは『欲望のバージニア』かなあ?