『ビューティフル』の続きって感じで・・・『アモーレス・ペロス』悲しい3つのドラマ

『ビューティフル』の続きって感じで・・・『アモーレス・ペロス』悲しい3つのドラマ


アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督デビュー作です。
はっきりいって、これでわたしはこの監督のとりこになりました。
その割に『バベル』観てないだろうって?はい、すみません。

悲しい映画ですよ。でも、わたしはすごく好きです。

ガエル・ガルシア・ベルナルもでてますしね。かっこよくて大好きなんです!いい俳優になるね(もうなってるのかな)。
これはすごく難しいですね、書くのが。
ネタばれを避けつつ、よさを説明するっていうのは・・・すごく難しい!
これはとくに。短いんですよ、いや、150分だから、短くはないのですが、とにかくあっという間に感じました。
1話目の主人公、オクタヴィオは、闘犬を飼っており、その犬を使って、賞金を稼ぎます。街をでたいから。
実は、兄嫁に恋焦がれていて、一緒にでようと誘うのですが・・・。
思いがけないことが起こります。
2話目はモデルの話。不倫相手の彼とうまくやっていこうと思っていた矢先に・・・。
3話目は犬好きの老人の話。自分の娘にあるものを送ろうとして・・・。
そうですね・・・この悲しい映画で、救いになったのは犬です。
アクシデントと犬がキーワードですが、やはり犬はこの映画で大きな役割を果たしています。
2話目にも犬がでてきます。それもそのはず、この題名の意味は「犬のような愛」って意味だそうで。

最近犬を亡くした身にとっては、とてもこたえる話ではあるのですが、犬はやはりみんなの支えになっているってことですね。
別々の話でしたが、3話目に、うっすら犬を通して話がつながります。
最後、救いがみられるのです。
『ビューティフル』を見ても感じたのですが、監督は、悲しい物語にも救いを加味しています。
メキシコの貧困、愛憎、悲劇、後悔、いろいろな不幸がありますが、すこしだけ、最後に救われるんです。
それをみるために観ているわけではないのですが。カタルシスです、まさに。
救いとか、カタルシスとか、いろいろと思いをめぐらせると、気になるのは聖書解釈。
聖書では犬の扱いは・・・・よくないですね。試しに『西洋美術解読事典』を手にしてみましたが・・・。
「聖書の中にも好意的な記述はほとんど見られない」とあります。
かわりに、寓意画においては、忠誠の擬人像の持物。ほかにもいろいろ意味はありますが、このあたりのことを頭に入れて観るといいのではないかと。この監督が描いた3つの愛。それは監督にとっては、理想的な愛からかけ離れてるということなんじゃないかと、いや、監督に限らず、万人にとってそうかもしれません。もちろん当人たちは、懸命に愛しているわけですが。


『ビューティフル』もそうでしたが、キリスト教的思想とそれほどかけ離れた映画ではない気がして。
多分『バベル』もそうだと思います。観てませんが(しつこい)。


短いですが、今日はこのへんで。